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2026/08/21 

収益物件(ビル)を活用した相続対策とは?メリット・リスクと税制改正の影響を徹底解説

こんにちは!「福岡市南区、城南区、那珂川市、小郡市、鳥栖市、三養基郡基山町」の不動産売却相談の専門家、イエステーション福岡南店、小郡店です。

ある程度の金融資産をお持ちの皆様にとって、将来の相続税に対する不安は尽きず、その対策は大きな関心事となっています。
数ある相続対策の中でも、商業ビルやオフィスビルを活用する手法が注目されています。
現預金を収益物件に組み替えることで、税負担の軽減と安定した収益確保が期待できるためです。
しかし、高額な投資となるため、メリットだけでなく特有のリスクや最新の税制改正を理解する必要があります。
本記事では、以下の構成でビルを活用した相続対策の全体像を詳しく解説します。

  • なぜ「ビル」なのか?収益物件による相続対策の仕組みとメリット
  • 絶対に知っておくべきビル投資のデメリット・リスク
  • 失敗しない「収益ビル」の選び方と賢い承継戦略
  • まとめ|ビルを活用した相続対策は専門家チームで進めよう

なぜ「ビル」なのか?収益物件による相続対策の仕組みとメリット

相続対策としてビルが選ばれる背景には、現預金と不動産の評価方法の違いがあります。
現金で保有し続けるよりも、不動産に資産を組み替えるほうが、評価額が下がる傾向にあります。
さらに、賃貸運用することでインフレヘッジ効果も期待できるのが大きな特徴です。
現金と収益物件(不動産)の相続における一般的な違いは以下の通りです。

比較項目 現預金の場合 収益物件(不動産)の場合
相続税の評価額 額面通り(100%) 時価より低く評価される傾向がある
収益性 金利によるわずかな利息のみ 毎月の家賃収入(インカムゲイン)
インフレ対策 貨幣価値の下落により目減りする 物価上昇に連動し価値を保ちやすい
納税資金の確保 手元資金から直接支払える 家賃収入を納税資金として蓄積できる

相続税評価額を大幅に圧縮できる仕組み

ビルを賃貸に出すことで、土地は「貸家建付地」、建物は「貸家」として評価されます。
これにより、自用地や自用建物として評価される場合よりも、評価額が軽減される可能性があります。
一般的に、固定資産税評価額などを基準とするため、実際の取引価格より低く計算されます。
また、一定の要件を満たすことで「小規模宅地等の特例」が適用されるケースもあります。

評価の対象 評価方法の一般的な仕組み 期待される効果
土地(貸家建付地) 更地評価額から借地権・借家権割合などを差し引く 評価額の低下による税負担の軽減
建物(貸家) 固定資産税評価額から借家権割合などを差し引く 建築費や時価よりも低い評価額となる
小規模宅地等の特例 貸付事業用宅地等の要件を満たした場合に適用 限度面積まで最大50%の評価減の可能性

税制は個別条件により異なるため、必ず税理士などの専門家への確認が必要です。
一般的な計算上は強力な節税効果が見込めますが、実際の適用可否は慎重に判断してください。

アパートやマンション(居住用物件)との効果の違いを比較

収益物件の中でも、居住用と商業用(ビル)では得られる効果や特性が異なります。
アパートなどに比べて、ビルは賃料設定が高く、企業などのテナントと長期契約を結びやすい傾向があります。
そのため、残されたご家族にとって安定した収入源となり、高額な納税資金の確保に役立ちます。
一方で、税務上の優遇措置に違いがある点には注意が必要です。

項目 居住用物件(アパート等) 商業用物件(ビル等)
賃料の単価 エリア相場に依存し上限がある 立地や設備次第で高く設定できる傾向
契約の期間 一般的に2年更新が多い 5年以上の長期契約となることが多い
テナント属性 個人が中心 法人や企業が中心
住宅用地特例 適用される(固定資産税が軽減される) 適用されない(税負担が重くなる場合がある)

物件状況や個人の条件によって、どちらが適しているかはケースごとに異なります。
固定資産税の負担増なども考慮し、総合的な収支シミュレーションを行うことが大切です。

絶対に知っておくべきビル投資のデメリット・リスク

ビル経営はメリットが大きい反面、動く資金が巨額になるため特有のリスクも伴います。
「税金が安くなる」という節税目的だけで安易に投資を始めるのは推奨できません。
事前にリスクをすべて把握し、冷静に対策を練っておくことが重要です。
ビル投資において特に注意すべきデメリットとリスクを以下にまとめます。

リスクの種類 具体的な内容と懸念される事態
空室リスク テナント退去による収入減。次が決まるまでの期間が長期化しやすい。
コストリスク 大規模修繕費や設備更新費が数千万円単位で発生する可能性がある。
流動性リスク 買い手が法人などに限定されやすく、すぐに現金化できないことがある。
争族リスク 高額な単一資産であるため、相続人間で公平に分けにくく揉めやすい。

空室の長期化と高額な維持管理コスト

商業ビルやオフィスビルは、アパートに比べて次のテナントを見つける難易度が高くなります。
リモートワークの普及などにより需要が変化し、空室期間が長期化するリスクが生じます。
また、建物の維持管理には、想像以上に高額なコストが継続的に発生します。
主なコストや負担には以下のようなものが挙げられます。

  • 空調(HVAC)やエレベーターなどの高額な設備メンテナンス費用
  • 消防設備の点検やセキュリティシステムの維持費
  • テナントが退去した際の多額な原状回復費用
  • 競合に勝つためのリノベーションや共用部改修費用

これらのコストが収益を大きく圧迫し、結果的に手元に資金が残らない事態も考えられます。
事前の綿密な修繕計画と、資金の積み立てが不可欠となります。

分割が難しく相続トラブルの原因になりやすい

ビルは高額な単一資産であるため、複数人の相続人がいる場合、公平に分けることが困難です。
物理的に切り分けることができないため、遺産分割協議が難航し、トラブルの原因になることがあります。
相続時の主な分割方法には以下の種類がありますが、それぞれに課題があります。

分割の方法 概要 考えられる懸念点・注意点
現物分割 ビルそのものを特定の1人が相続する 他の相続人が不公平感を持つ可能性が高い
代償分割 1人がビルを相続し、他の人に現金を払う ビルを引き継ぐ人に多額の現金が必要になる
換価分割 ビルを売却し、その代金を全員で分ける 売却に時間がかかり、希望価格で売れない場合がある
共有分割 複数人の共有名義で相続する 将来の売却や修繕時に全員の同意が必要で揉めやすい

トラブルを避けるためには、生前に家族で話し合い、遺言書を作成しておくことが推奨されます。

【重要】今後の相続税評価ルール見直しの動向と影響

これから対策を検討する上で、税制改正の動向は絶対に知っておくべき重要事項です。
税制改正や国税庁のルール見直しにより、近年不動産の相続税評価が実質的に厳格化される傾向にあります。従来の評価ルールに依存した過度な節税は将来的に効果が薄れる可能性があるため、今後の改正動向と併せて、特に以下のポイントに注意する必要があります。
従来の評価ルールに依存した過度な節税は、将来的に効果が薄れる可能性があります。
特に以下のポイントには十分な注意が必要です。

  • 2024年1月1日以降、時価と評価額の乖離を是正する新ルールが既に適用されており、今後はビルなどの商業用不動産への波及や更なる見直し動向を注視する必要があります。
  • これにより、従来見込めていた評価額の圧縮効果が大幅に縮小するケースが考えられます。
  • 駆け込み購入など、実態の伴わない「節税だけ」を目的とした不動産購入は、税務署に否認されるリスクが高まります。
  • 「節税だけ」を目的とした不動産購入は問題となるケースもあります。

税務上の判断が分かれることもありますので、最終判断には専門家への確認が必要です。
常に最新の法令動向を注視し、余裕を持った計画を立てることが求められます。

失敗しない「収益ビル」の選び方と賢い承継戦略

ここまでのメリットとリスクを踏まえ、どのようにビルを選び、承継していくべきか解説します。
不動産会社や専門家任せにするのではなく、オーナー様ご自身が明確な基準を持つことが重要です。
物件選びや戦略策定において重視すべきポイントは以下の通りです。

重視すべき視点 検討のポイント
立地と将来性 駅からの距離、エリアの再開発予定、テナント需要の安定性
収益の持続性 単なる表面的な利回りではなく、諸経費を引いた手残りの金額
物件のタイプ 自己資金やリスク許容度に応じた物件規模(一棟か区分か)
承継の仕組み 個人で所有し続けるか、資産管理法人を設立して運用するか

表面利回りではなく「実質利回り(NOI)」で判断する

物件選びの鉄則は、まず需要が途切れない好立地であるかどうかを見極めることです。
その上で、広告などに記載されている「表面利回り」だけで判断してはいけません。
必ず高額な管理費や修繕費、空室による損失を差し引いた「実質利回り」を確認します。
この実際のキャッシュフローを示す指標をNOI(ネット営業収益)と呼びます。

  • 表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格
  • 実質利回り = (年間家賃収入 - 諸経費・空室損) ÷ 物件価格

大規模修繕費用などは後から重くのしかかるため、これらを加味した収支計画が不可欠です。
持続可能な手残り資金が得られるかどうかを、冷静にシミュレーションしてください。

一棟ビルか区分所有オフィスか?それぞれの特徴

ビル投資には、建物全体を所有する「一棟ビル」と、フロア単位で所有する「区分所有オフィス」があります。
ご自身の投資規模や目的に応じて、最適なタイプを選択することが大切です。
それぞれの主な特徴と違いを以下に比較します。

項目 一棟ビル 区分所有オフィス
投資規模 数億円以上の高額な資金が必要 数千万円程度から投資可能な場合がある
評価減効果 土地・建物全体で効果を享受しやすい 一棟に比べると圧縮効果が劣る傾向にある
経営の自由度 修繕やテナント誘致を自由に決定できる 共用部の管理などは管理組合の決定に従う
リスク分散 1つの物件にリスクが集中する 複数物件に分けて投資しリスク分散しやすい

物件状況や個人条件により異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。
将来の出口戦略(売却)も見据えて、ご自身に合った手法を検討してください。

「法人化」による所得分散と次世代への計画的な移転

より賢く効率的な資産承継を目指す場合、個人ではなく法人を活用する手法があります。
「資産管理法人」を設立し、法人の名義でビルを所有・管理する仕組みです。
これにより、以下のような様々な副次的効果が期待できるケースがあります。

  • 役員報酬として家族に給与を支払うことで、所得を分散できる可能性がある。
  • 法人で得た利益を蓄積し、次世代へ計画的に財産を移転する準備ができる。
  • 金融機関からの融資を活用し、レバレッジを効かせた運用が検討しやすくなる。
  • 個人所有のまま相続を迎えるよりも、法人株式の評価を通じた対策が取りやすい。

ただし、法人設立には初期費用やランニングコストがかかり、税務否認リスクも伴います。
税理士など専門家への確認が必要不可欠であり、総合的な判断が求められます。

まとめ|ビルを活用した相続対策は専門家チームで進めよう

商業ビルを活用した相続対策は、大きな効果が期待できる反面、高度な専門知識が要求されます。
不動産市場の動向、最新の税制改正、複雑な法律問題が絡み合うため、単独での判断は危険です。
税理士、不動産鑑定士、弁護士、管理会社など、各分野の専門家と連携することが成功への鍵となります。
早期に相談窓口を見つけ、ご家族にとって最適な資産承継の形を作り上げていきましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の状況に対する判断や結果を保証するものではありません。実際の不動産取引・税務・法律判断については、税理士・司法書士・弁護士などの専門家へご相談ください。

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